2010.4 子供を残す事について

我が家では、きなこの子供を生ませるか生ませないか真剣に考えた時期がありました。
私が女の子の柴も育ててみたいと言う事から、どんな性格かわからない子よりも
きなこの子供なら、良いのではないか?となりました。

しかし自分達が素人交配をして生ませても、本当にお互いの愛犬の血筋が
交配しても良いものかどうかは判断できません。
以前、日本犬保存会のベテランの方に、保存会として良い柴の交配の考え方などを
聞いていたので、素人交配に対して心配と怖さがありました。

そして、生まれた子供をどうするのか?と、かなり悩みました。
きなこの交配相手の柴が初産としても、平均的に3柴は生まれるでしょう。
お互いに1柴ずつ引き取って、残りの子はどうするのか?

譲渡したとしても、可愛い我が子の子供がどういった風に世話をされているか心配になります。
交配、譲渡関係である前に、人間同士としての付き合いや考え方があります。
その点も本当に大丈夫なのかも心配。

私はきなこが我が家に来た時から、日中ずっとお世話をしてきました。
その間、仕事時間が激減して支障もでましたが、他に手伝ってくれる人も居ないし
育児ノイローゼになりかけながら乗り切りました。(当時、きなこママはあまりお世話に参加しなかった)
その経験から、幼犬の柴を複数お世話するなんて絶対無理だと思いました。

ちなみに私は最大6柴生まれた場合のパターン表を作ってみましたが、
その表を見て素人交配は止めようと決断しました。
一時的に気持ちが盛り上がっても、一旦頭を冷やして冷静に状況を分析する事は大切だと感じました。
実際生ませて多頭にしたものの想像以上に手に負えなくて、お世話から逃げている飼い主は沢山見ます。

 熟考した結果

きなこママと再度話し合った結果、きなこの両親がブリーダー&ショップで交配する事があって出産したら
女の子をお願いしようとなりました。(当時はやよい・龍市共に現役の交配犬でした)
理由は、きなこは健康で性格も非常に温厚で優しい。
アレルギーや骨格等などの問題もない健康優良柴。
やはり両親が健康だからこそだと思い、「再度同じ両親で交配機会があればお願いしたい」と考えました。

ちなみにベテランの日本犬保存会の方にきなこの血統を見てもらったら、
両親とも良い血統で、特にやよいの先祖は優良な柴が多いそうです。
その点でもやよい・龍市の再交配には問題はないと思っていました。

 意外な展開へ

しかし次にやよいの生理がなかなか来ずに、結果ドッグニシニホン店さんから
「やよいは引退させようと思う」との話がありました。
ならばきなこと面談させてみて、最初の相性など問題が無いか見てみて
良かったら我が家に迎えようか?と選択の幅を広げました。

その時に龍市の子孫の生後半年を過ぎた女の子柴が居たので
両方共に面接させてもらいました。
その様子はこちら

面接した結果、やよいの方が圧倒的にきなこと相性が良いのがわかりました。
ただ当時は成犬した子を迎える事に不安がありましたが
数日間きなこママとしっかりと話し合って、やよいを迎える事に決めました。
その決断は今になって最良の決断だったと私達は思っています。

子供を生ませる事だけが全てではないのです。
自分の愛犬の子供だから親子・兄弟が仲が良いとは限りません(人間と同じ)
子孫を残す事は、臆病なくらい慎重に考えた方がいいと私は思います。後戻りは出来ませんよ。

 繁殖をする事

繁殖とは、命を生み出す事ですから、かなり勉強し慎重に行わなければいけないものだと思っています。

本犬の検査はもちろんですが、その犬の何代か前までさかのぼって、
性格に問題がなかったか、遺伝的疾患がないかを調べるべきだと思っています。

血統書がある犬も無い犬も同じ大事な命ですが、
どんな疾患が隠れているか分からない血統が分からない犬を繁殖するべきではないと考えています。

疾患が出て、苦しむのは飼い主ではなく犬ですから、良い面ばかりを見て繁殖を考えている方には、
もう一度よく考えてみてほしいと思います。

 新たに世話主を待つ犬達

わざわざ自家繁殖させなくても、新たに世話主を待っている犬達は沢山居ます。
犬自体に何も問題が無くて、待っている子達が居る事も考えてみてください。

成犬からでも一緒に生活して愛情を注げば、素敵な家族になるはずです。
やよい・龍市も、ずっと外で暮らしていていましたが、すぐに適応してくれました。
家族としてしっかりお世話して愛情を注げば、必ず応えてくれると思いますよ。

最近では保護団体の方では、トライアル期間などもあるので
よく話し合ってそういった方法を試してみるのも良いかと思います。


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